わずか半年で乗り心地が大きく改善されていた。

もう1つ、わずか半年で乗り心地が大きく改善されていた。ダンパーの微速域の動きが明らかにスムーズになり、往年のフランス車のような穏やかで平穏な乗り心地になっていた。柔らかいにも関わらず、抑制がしっかり効いており、微舵角から大舵角まで非常に素直なハンドリングと乗り心地が高次元で両立されている。恐らくはCVTよりダイレクト感の高いAMTと、アクセル操作に対してトルクの出し入れのレスポンスの良いモーターのお陰で、タイヤの駆動力がドライバーの意思に忠実にコントロールできることがそういう結果を生んだと考えられる。

https://sns.beamie.jp/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=89490 http://ja.mangareborn.jp/users/14725  ベースとなったスイフトの欠点は、ペダルのオフセット、骨盤の前後ホールドが少し緩いシート(ただし左右方向の骨盤保持はかなり優秀)、下を切り落としたD型のハンドル(テコの長さが場所によって変わるのは理想的ではない)、視認性よりデザイン性を重視したメーターの4点だった。それらは元のままで直っていない。

https://www.eniblo.com/gvfghgder http://iralog.nosv.org/b/gvfghgder/  ハイブリッドモデルのみの欠点と言えば、バッテリーの充電状況と負荷の様子で時折エンジンを止めてモーターのみの走行になったとき、エアコンが止まってモワッとすることがあった。エンジニアによれば「一応エバポレーターの温度を測ってできるだけエアコンが効かない状態は回避しているんですが……」とのこと。試乗日は強烈な暑さだったと言うことは一応添えておく。しかしスイフト・ハイブリッドを全体で見れば、それらの欠点を埋めて余りあるほどパワートレインとサスペンションの出来が素晴らしい。ペダルオフセットさえなんとかなればという気持ちは強いが、筆者は試乗の間中ニコニコしていた。

これによるコストダウンは莫大なものになるだろう。

さて、こうすると何が良いか? 新興国も先進国も全部同じマニュアルトランスミッションを使える。新興国のローコストニーズにはベーシックなマニュアルトランスミッションを。新興国のトルク抜けにあまりうるさくないイージードライブニーズにはそれにアクチュエーターを加えたAMTを。変速に洗練を求める先進国ではこれにハイブリッドを加えてやれば全てのニーズに対応できる。つまりコンポーネントの追加だけで世界の市場のニーズに応えられることになる。これによるコストダウンは莫大なものになるだろう。

http://garou.net/userinfo.php?uid=535 http://gamers.mysns.jp/p/furuiuiur●技術と見識

 しかしそもそもベースとなるマニュアルトランスミッションは性能的に優れているのだろうか? 実はマニュアルトランスミッションは、安価、軽量、小型、高信頼性で駆動力の減損も最小。しかもトルク伝達のロスがほぼ無いので、ダイレクトなフィールで運転感覚的にも優れ、美点ばかりである。後出し的に言えばAMTの欠点は唯一「トルク抜け」だけだったのである。

http://www.sharedmemo.com/gvfghgder/ http://y-watch.net/member/gvfghgder/ 実用車用として考えれば、スズキのAMTにハイブリッドを加えたシステムは現時点で究極のトランスミッションだと言える。

 軽量小型という面で言えば、この究極のトランスミッションとHEARTECTの相乗効果で、スイフト・ハイブリッドは、ストロングハイブリッドでありながら1トンを切る車両重量940キロに収まっている。どれだけスゴいかは、非ハイブリッドのBセグメントの各社最軽量モデルと比べるとよく分かる。日産マーチ(940kg)、トヨタ・ヴィッツ(970kg)、ホンダ・フィット(970kg)、マツダ・デミオ(1010kg)。重いのは当然とされてきたハイブリッドなのに、スイフトの他モデルを除けば、マーチと並びセグメント最軽量である。そのせいもあってJC08モード燃費は32.0km/Lとトップクラス。実に自動車の歴史に新たな1ページを加えるほどの事件である。

ところがこのAMTは先進国ではすこぶる評判が悪かった。

さて、スズキはご存じの通りインドで大成功を収めている。インドでは今猛烈な勢いでクルマが普及しており、そうすれば当然イージードライブの要求は出てくる。ところが、従来のトルコンステップ型のオートマや、CVT無段変速機)、あるいはDCT(ダブルクラッチトランスミッション)などの変速機は新興国ではインフラ的にメインテナンスが難しい。本来はクリーンルームで整備しなくてはならない精密機械なのだ。つまり、オートマ需要の増大が予測されるが、既存のオートマはどれも投入しにくいというのがインドの現状である。

 http://ja.mangareborn.jp/users/14723 http://www.nyan-wan.com/users/view/314従って、これまではマニュアルトランスミッション1本で戦ってきたのだ。スズキはここに投入できるイージードライブ用トランスミッションとしてAMTを開発し、現在インドにトランスミッション専用工場を建設中である。何と言っても変速機の本体は頑丈で単純なマニュアルトランスミッション、どこでも修理が可能だ。追加されるアクチュエーターは壊れればそっくり部品交換で済ますことができるので新興国でも心配ない。

http://www.rokyu.net/user_information1-59086.html http://www.otoku47.com/author/furuiuiur/ ところがこのAMTは先進国ではすこぶる評判が悪かった。特に日本では拒絶に近い反応である。何がそんなに嫌われるのかと言えば、「トルク抜け」と呼ばれる現象だ。アクセルを踏んでクルマが加速する。エンジン回転が一定まで上がると、AMTはクラッチを切って変速操作に入る。この間、クルマを押していた力が抜け、グッと失速したように感じる。全開加速の場合など本当に頭が前に振られるような感じを受ける。マニュアルトランスミッションに乗り慣れた人なら、変速ポイントを感覚的に覚えて、そこで少しアクセルを抜いてやれば比較的スムーズに加速することもできるのだが、そういう面倒なことが嫌だからと自動変速機を選ぶという人にとっては、かなり不快な現象だったのである。

ところが、スズキはそれから約半年後の7月12日

2016年の暮れも押し詰まった12月27日、スズキは主力小型車であるスイフトをフルモデルチェンジして発売した。国内ではBセグメントのコンパクトな5ドアボディ1種類(インドではセダンの設定あり)。搭載するエンジンは2種類で、1リッター3気筒直噴ターボエンジンと、1.2リッターエンジンに発電機兼用のモーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドという構成だった。

http://www.ft86-life.com/userinfo.php?uid=572 http://y-watch.net/member/furuiuiur/新型スイフトは新旧最軽量モデル比で120キロもの軽量化を果たした新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」をひっさげ、「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本性能を向上させた意欲作と言える。若干古典的な動力特性のターボと比べると、実用域でのリニアな加速感に優れるマイルドハイブリッドは毎日の相棒としてなかなかの佳作モデルだ。

https://www.eniblo.com/furuiuiur http://paris.jimomo.jp/user/public.html?id=15719●わずか半年後の革命的追加モデル

 ところが、スズキはそれから約半年後の7月12日、今度は発電機兼用ではなく、駆動専用のモーターを搭載したストロングハイブリッドモデルを発売したのである。

 余談になるが、教科書的にはマイルドハイブリッドとはモーターのみでの走行ができず、モーターはあくまでもエンジンの補助として使われるタイプのハイブリッドで、ストロングハイブリッドはモーターのみでの走行も可能なモデルを言う。